公認会計士試験の試験科目には必須科目と選択科目があり、試験形式は短答式試験と論文式試験の2段階選抜という形になっています
財務会計論
「簿記」と「財務諸表論」に分けられ、簿記は企業が公表する財務諸表である貸借対照表・損益計算書・キャッシュ・フロー計算書などの作成方法を学習する科目で、公認会計士試験のすべての科目のベースになる知識となっていて、学習のボリュームも最も多くなる。
財務諸表論は、簿記で学習した財務諸表の作成方法の理論的背景を学習する科目で、簿記で作成方法の処理を学び、財務諸表論でその理論的背景を詳しく学習するという関係性があり、同時並行して学ぶことが効率的。
管理会計論
経営者が企業の将来の方向性の計画立案・実行されているかを分析するために必要な情報を提供する科目で、製品の原価を計算する原価計算と財務分析や経営管理に資する経営意思決定の仕方などを学習する。
監査論
時間をかければかけるほど比例的に成績が伸びるという科目ではなく、間違った学習方法をしてしまうと成績が伸びにくいという特徴があり、公認会計士という資格が、監査業務を行うために誕生したという背景を考えれば、とても重要な科目。
企業法
企業を取り巻く様々な法律を学習する科目で、短答式試験では、比較的点が取りやすい科目で、いったん全体像を把握して体系的な理解が完成すると実力が下がりにくい。
租税法
法人税法・消費税法・所得税法といった税金の仕組みを学習する科目で、毎年何かしらの改正があるので、過年度のテキストを使いづらいという特徴がある。
選択科目
公認会計士試験論文式試験では以下の4つの選択科目から1つを選択し、受験することとなります。
経営学
企業経営における理論を学習する科目で、経営戦略論・経営組織論・ファイナンス理論などを学びことになるので、数学的素養がほとんど必要ないうえ、最もボリュームが少ないので、多くの人が選択する科目となっている。
経済学
数学の知識を必要とします。微分をしっかり理解していることが重要。
民法
民法を学ぶことになるため、数学的素養は必要ないが、学習のボリュームが非常に多い。
統計学
数学が苦手な人がとってはいけない科目。
微分以外にも積分などの高度な数学的要素が入ってくるため、数学が得意な人以外はとるべきではない。
記述統計と確率、推測統計、相関・回帰分析の基礎といった内容が含まれています。
公認会計士試験は、科目ごとに偏差点で順位がつくため、よほどのことがない限り、「経営学」を選ぶべきで、それ以外の科目を選択する人たちは、その科目に特化して勉強してきた人ばかりなことが多い。
「経済学」を選択する人は、大学で経済学部の大学院を卒業しているだとか、理工学部だったので統計学を選ぶだとか、いわゆる専門家ばかりが揃っていると思っておいたほうがいい。
そんなスペシャリストばかりの中で、高得点を狙えるという自信が無い限り選ぶべきではない。